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本棚の奥に、いくつかの漫画たちがあった。
それはとても静かな物語だったり、生と死をひたすら見つめるような物語だったり、そのどれでもない、不思議な物語だったり。今となっては当時ほど心に響くわけではないのだけれど、とても記憶に残っている、そんな物語たちが封じ込められた本の数々。
奥底に長らくしまわれていて、もう、あまり手を伸ばすこともなく、時折部屋の整理などをするときに見かける程度だったのだったその本を……何度目かの部屋の掃除の時に、ふと、何年かぶりに近くに置いて、気の向いたときに読んでみた。

ただ昔を懐かしむだけのつもりで、なんとなく開いてみたのだけれど、読んでいるうちに、自分がその漫画の中の物語たちに『救われた』記憶がよみがえってきた。流石に、詳しくどうだったか、この本を読んだ時の状況や心境などまでは流石に思い出せないのだけれど……確かに、自分の心がその物語で救われたような、重苦しかった心が少し軽くなったり、高ぶった心を落ち着かせてくれたり、そんな思い出があったことを、読むうちに思い出していた。読んだ時のことを思い出せないのとはうって変わって、その『読書時の思い出』に関しては、どの物語の、どこでそうであったかまでを、鮮明に思い出すことが出来た。

それに改めて見ると、当時とは違う箇所への思い入れが深くなっていたり、目についた箇所は同じでも、印象が変わっていたりすることが、たびたびあった。中には当時は『何となく』でしかなかった思い入れが、『ここが、こういうように、自分を救ってくれている』とはっきりと認識できるように変わっている箇所もあったように感じた。

最近、昔はただただ苦しかったとか、今の状況が特別しんどいとか、そういうことばかり考えがちな日も多かったけれど、昔もちゃんとほどほどにつらくて、程々に自分の心を救っていきながら、そうやって生きてきたのかもなぁ、なんて大それたことを考えながら、とりあえず明日もまた何か読もうと思ったりした、そんなある日の、特にオチのないお話。


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